我々は適当に席に付いた。店は海沿いにあるので、眺めは最高。Mランドが完成したら、Mランドを窓から眺めることが出来るであろう。今はMランドの建設工事が進められている。
コーヒーを頼むと、おもむろにレコードをかけた。そしてコーヒーを入れ始めた。しばらく取材班メンバーで雑談していると、おばちゃんは話しかけてきた。どうも、客と語りあうのがすきらしい。
かつては地球岬近辺でヘビがウジャウジャ出たという話や、美術学校を出たあとランプ城でバーテンをしてた人の話、噂を聞きつけて千歳からランプ城に来店した人がいるという話、前にジンギスカン屋をしていた話、藻岩山の話など、話は尽きない。
コーヒーを飲んでしばらく語りあった後、我々はコーヒー代を払って店を後にした。
読者からの情報によると、店内の奥の怪しい小部屋は、かつて連れ込み喫茶だった頃のなごりではないかというのだ。我々取材班が店のおばちゃんから聞いた話だと、今は娘が使っているという。とにかく、かつては連れ込み喫茶だったという話は、あの独特な雰囲気といいあながち嘘ではないように思われる。が、実態はいまだ我々にとって謎である。
また、店内の天井にはおびただしい数のLPレコードのジャケットが飾られている。読者からの情報によると、貴重なレコードも数多くあるようで、レコードを聞きながら茶を飲みに行くだけでも十分価値はあるそうだ。
また、とある筋からの情報によると、ランプ城でジンギスカンを注文した人がいたそうで、注文すると缶をキコキコ開ける音がしたかと思えば、おもむろに缶の中身だと思われるものを出されたそうだ。案外あの店だと、生や味付けを出されるより缶詰のほうがむしろ衛生的な気がする。日持ちするし。でも、やっぱり怪しいかも。
誰でも良いから、恋人同士でこの喫茶店に茶をのみに行ってくれないかと密かに期待をしている。
(1996年秋)
5月某日に私とDIN-GIR氏と二人でランプ城に行って、カウンターでおばちゃんと話をした。
どうもおばちゃんは室蘭市の行く末に憂いを感じているらしい。室蘭、登別、伊達の3市を合併させて、市内に飛行場をつくれば良いという現実的な提言に我々はいたく感じ入った。
(1997年5月某日追記)
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