札幌のインド映画ファンはおとなしい? |
映画館でのマナーでは「音を立てずにじっくり観る」というのが当たり前になっている。その場で映画を観ているのは自分だけではないし、映画館は公共の場であるのでマナーを守るのは言うまでもないことである。 しかし、インド映画では、主人公・ヒロイン登場時には拍手・掛け声・指笛なんぞ当たり前、歌のシーンは拍手していっしょに歌う始末。いわゆる日本の常識では考えられない、むしろライヴと同じ感覚で映画を楽しんでいるそうだ。 このことを痛感したのは、東京ファンタ2000で夜中に上映されていたインド映画を観たとき。映画祭というイベントということもあって仕掛け人によるサクラもいたようだが、それを差し引いてもライヴ感覚で映画を楽しむ光景は日本では考えられない状況だった。 Hum(タイガー・炎の3兄弟)にいたっては、約10年前にインドでヒットした映画ということもあって、インド人が当たり前のように歌っていたのには感心した。「♪じゅんま〜 ちゅんま でで〜 じゅんま〜 ちゅんま でで ちゅんま〜」って私の後ろで歌っているんだもん。(笑) インド映画の解説本やWebページなどで一応知識として知ってはいたものの、日本、しかも東京でそれを実感できるとは思いもよらなかった。 で、場所を私の地元、札幌に移すことにしよう。 みんなおとなしく観ているではないか。いや、そもそも客が少ないから、盛り上がる以前の問題という話もある。 せめて、面白いときには笑い、悲しいときには堂々と涙をすすっても良いのではないか。と思うのだ。 いわゆる和製マサラムービーと言われている「ナトゥ 踊るニンジャ伝説」を観たとき、作品のオープニング前、南原と天山が2人で「歌のときは拍手をして盛り上がろう」といっていたが、それも見事に空振りだった。文化の違いと映画の楽しみ方の違いが如実に出ている。 結局、一般の映画館では映画を静かに見るようにアナウンスされるので、映画館で盛り上がるのは難しいということだろう。こればかりは仕方がない。だったら、ゆうばりファンタなど、映画祭イベントで盛り上がってはいかがだろうか。 とにかく、札幌のインド映画ファンはおとなしすぎる。 これを書いた日は、ちょうどゆうばりファンタ2001の初日。17日のウペンドラ上映のときは、ぜひとも盛り上がりたいと切実に願っている。 (追伸) 「男はつらいよ」でおなじみ、渥美清氏が亡くなったとき、夕張でも追悼上映会が行われたので、夕張市市民会館に行って見たことがある。客層は地元のおぢさんおばさん、いやそれより年齢が上の層の人ばっかりだった。要するに、当時から「寅さん映画」を楽しんでいた人たちだ。 笑うところでは素直に笑い、ヤジも飛ぶんだよなぁ。泣かせのシーンでは素直に泣く客もいる。娯楽映画の基本「笑う」「泣く」を見事に楽しんでいるのだ。 私が「男はつらいよ」シリーズが好きなのは、こういう体験をしたからである。 で、インドの娯楽映画も、同じように楽しんでもらいたいと。 |
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